善光寺如来絵伝 |
(紙本著色 江戸時代 各150.0p X 108.4p)
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解説
本絵伝の各場面は、素槍霞で五段ほどにしきられた横長画面を、各幅ともおおむね上から下へ順に配置している。
第一幅は百済の海岸から送り出されるまで、第二幅は三尊仏の受難から聖徳太子説話、守屋討伐を経て、善光が三尊仏をひろいあげるまで、第三幅の下半分以上にに大きく善光寺伽藍を描いて終わっている。
色彩などから江戸時代中頃の制作とみられるものの、絵相は中世の絵伝と共通の図様を、丁寧に模しており、未知の中世絵伝の存在を裏付ける点で貴重な存在である。
特に善光寺伽藍は出色で、かなり正確に細部まで再現されている。建物の数が小山善光寺本ほどはないことから、室町時代半ばごろの伽藍を描いたものと考えられている。
第二幅の中央左にみられる噴煙をたなびかせる富士山は、聖徳太子27歳のエピソードで、太子が愛馬黒駒で天空をかける場面ある。しかし太子は童形でありそのままでは伝記と一致しないが、これこそ中世の聖徳太子観を示したものといえるであろう。 |
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〔引用〕
特別展 ものがたり 善光寺絵伝
編集・発行 安城市歴史博物館
発行日 平成14年10月12日 |
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第一幅 |
第二幅 |
第三幅 |
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